都営住宅江北四丁目団地

江北四丁目団地は、日暮里・舎人ライナー江北駅から西へ約600mに位置し、南西500mに荒川が流れています。かつて荒川堤では江北五色桜が人々に親しまれてきましたが現在では護岸が整備され、その美しい桜は観ることができません。今では、江北五色桜から接穂(つぎほ)された桜が区内の公園や学校に植樹され、現在に継承されています。団地から300m圏内にはその他6つの都営住宅団地が立地しています。足立区は23区内で都営住宅の住戸数が最も多く、建替え事業により団地の集約化や土地の高度利用で生み出される余剰地を有効に活用する方策が示され、中でも江北地区は土地区画整理事業と都営住宅の建替えにより、公共施設の整備と良好な住宅の供給が進められています。

本計画地は、東側の区が管理している歩行者専用通路を挟み既存の団地と分割され、北西側に道路、南側は民間の敷地となっています。道路を隔てた南西側には特別養護老人ホームがあり、居室の窓が計画地に面しています。この為、住棟は居住環境の優れた南向き住戸を最大限に配置し、特別養護老人ホームとの視線の見合いを避けた西向き住戸とのL型で構成しました。また、地区計画の整備基準により敷地境界から住棟壁面までの距離を確保し、道路に沿った歩道状空地により良好な街区環境を確保しています。

建物は、総戸数41戸、鉄筋コンクリート造5階建、南向きと西向きのL型住棟、歩行者は東側の専用通路からアプローチし、車と清掃車は北側道路から駐車場へとアプローチできます。住戸は、若年層の居住者を想定し、小規模な単身者用の1DKタイプとファミリー用の2DKタイプで構成されています。住棟及び敷地内はバリアフリーの設計が成され、車イス駐車場の整備、エレベーターやエントランスのスロープ、また敷地内通路に手摺が設置されています。住棟内各階廊下の端には災害時に必要な備品類を管理できるよう防災倉庫を設け、災害時の安全性確保に配慮されています。建物の外観は足立区色彩条例に定められる色彩基準に準拠し、周辺環境に馴染んだ落ち着きのある色合いを選定しました。

外構計画は、歩行者が安全に通行できる動線計画に配慮しています。住棟の西側接道面には幅員2mの歩道状空地を整備し、車道との境界部にボラードを設け、歩車分離により安全性を確保しました。また歩道状空地に面した住棟壁面に落下防止庇を設け、住棟バルコニーからの落下物により歩行者に害が及ばないようになっています。東側歩行者専用通路の整備も行い、桜のある江北平成公園につながる「みち」として、より安全な歩行者通路として利用されています。

本計画では、居住環境の向上を図ると共に、歩行者動線の充実を図ることで団地の居住者はもとより、近隣の方々にとっても安全・安心な住環境が整備されました。

所在地
東京都足立区
主要用途
住宅
竣工年
2019年
業務期間
2017年02月 〜 2017年11月
敷地面積
1,878.98㎡
建築面積
596.00㎡
延床面積
1,860.15m²
階数
5階
高さ
14.42m
総戸数
41戸
棟タイプ
単棟型
構造
RC造
発注者
東京都
備考
プロポーザル受注、基本設計、実施設計

関連サービス

関連する課題

関連プロジェクトストーリー

contactお問い合わせ

ご相談・ご質問等ございましたら、
お気軽にお問い合わせください。

お問い合わせ

関連実績

関連実績一覧に戻る